eBay輸出における関税:各国の課税最低金額や累積課税など徹底解説
eBay輸出を行う上で避けて通れない「関税」について、詳しく解説します。国ごとに異なる課税最低金額、
商品カテゴリごとの関税率の違い、そして同じ月に繰り返し輸出した場合に累積で関税が発生する可能性など、
実践的な情報をまとめました。ぜひ参考にして、関税トラブルを未然に防ぎつつ、スムーズな取引を目指しましょう。
目次
1. はじめに
1-1. eBay輸出と関税の基本
eBay輸出をはじめ、海外へ商品を販売する場合には、発送先の国で「関税(輸入税)」「付加価値税(VAT)」「物品税」などが課される可能性があります。
これらの費用は原則としてバイヤーが負担することになりますが、バイヤーが知らない、あるいは想像以上に高額になるなどの理由で
トラブルに発展するケースがある点には注意が必要です。
具体的には、バイヤーが受取を拒否し、商品が出品者に返送されてしまう、あるいは
「関税込みだと思っていた」などの誤解から追加費用を払わずクレームを起こすといった事態が起こりえます。
出品者としては、商品ページやストアポリシーに「関税はバイヤー負担」であると明記し、
さらに各国の関税制度をある程度理解しておくことが必須となります。
1-2. 関税をめぐる主なトラブル例
- 高額な関税がかかり、バイヤーが受取拒否する
国によっては「思っていた以上の税金」を課されることがあり、バイヤーが商品受取をキャンセルすることがあります。 - バイヤー側で「関税込み価格」と誤解している
追加の費用がかかるとは考えておらず、トラブルになるケース。 - 商品カテゴリを誤って申告してしまい、高い関税率が適用される
申告時の品名やHSコードの間違いで、余計な関税を課されることがあります。 - 税関手続きが長引き、配送が極度に遅れてクレームになる
関税の有無にかかわらず、通関遅延が原因でバイヤーとのトラブルに発展するケース。
2. 国別の課税最低金額と関税の仕組み
各国ごとに、免税枠(関税がかからない最低金額)やVATの扱い、関税率は大きく異なります。
ここでは代表的な国・地域の事例を取り上げ、簡単に解説します。
実際の金額や制度は変更されることがあるため、最新情報を必ず確認してください。
2-1. アメリカ合衆国(USA)
アメリカには「de minimis」と呼ばれる制度があり、
個人輸入において\$800以下の申告額であれば関税が免除されることが多いです。
ただしアルコール類やタバコ製品など、対象外の品目もあります。
また、\$800を超える場合は商品カテゴリによって関税率が変化し、一気に高額になる場合も。
申告内容に偽りがあると、罰則や追加徴収が発生するリスクがありますので注意してください。
2-2. ヨーロッパ(EU諸国)
EUではかつては22ユーロ以下の輸入品はVAT免除というルールがありましたが、
2021年7月以降は廃止され、すべての輸入品がVAT対象となりました。
ただし、関税に関しては150ユーロ以下であれば無税となることが多い一方、
国ごとにVATの税率が異なるため(ドイツ19%、フランス20%、イタリア22%など)、
バイヤーは商品価格 + 送料 + VATを合計して支払う必要があります。
商品カテゴリによっては独自の高関税を設けている場合もあるため、詳細は各国の税関ホームページやEUの通関ポータルサイトを参照するのが確実です。
2-3. イギリス(UK)
イギリスはEU離脱(Brexit)後、135ポンド以下の輸入に関しては海外出品者がVATを代行徴収し、
納付するケースが生まれました。135ポンドを超える場合は、バイヤー側が通関手続きと関税・VATの支払いを行うことが多いです。
ただし、商品カテゴリによってVAT率が異なりますし、Brexit後の制度変更が続いているため、
出品者は定期的に最新情報をチェックし、バイヤーにも「関税・輸入税が発生する場合がある」旨を周知しましょう。
2-4. カナダ
カナダは一般的に\$20以下の輸入品は免税ですが、それ以上になると
GST(連邦消費税)やPST(州税)、HST(統合売上税)などが課される場合があります。
州によって税率が異なり、さらに特定のカテゴリで関税が加算されることもあるため、
バイヤーにとって想定外の出費となりやすい点には注意が必要です。
2-5. オーストラリア・ニュージーランド
オーストラリアでは、A\$1000未満の輸入品は従来関税が免除されていましたが、
GST(消費税)が課せられることがあります。ニュージーランドでも類似の仕組み(NZ\$1000未満など)が存在しますが、
政策変更が続いているため、海外EC事業者に対して一定額以上の売上がある場合はGSTを代行徴収して
納付しなければならないケースがあります。
2-6. アジア・南米などその他の国々
南米(ブラジル、アルゼンチンなど)やアジアの一部地域では、非常に高い関税率をかけている国も少なくありません。
また、通関手続きが複雑で、許可証や追加書類が必要になる場合もあります。
税金の内訳が「関税+消費税+特別税」など複数に分かれていると、バイヤーが混乱する原因になりがちです。
受取拒否で返送されると、そのまま荷物が紛失したり、追加コストが発生したりするリスクが高まります。
事前に該当国の税制をある程度調べ、出品ページに注意書きを入れるなどの対応が望ましいでしょう。
3. 商品カテゴリごとに異なる関税率
関税は単に申告額だけで決まるのではなく、商品カテゴリごとに税率や免税条件が変わるのが一般的です。
国際的にはHSコード(調和制度)という分類が用いられており、同じ「衣類」でも素材(綿、合成繊維、革など)や用途で分類が細かく異なります。
たとえば衣類は
・Tシャツ(コットン)
・セーター(ウール)
・パンツ(ジーンズ)
など、素材や形状に応じて税率がバラバラです。また、電子機器は「パーツ」か「完成品」かで分類が異なり、関税率も違います。
食品や化粧品、医薬品は衛生面の規定が厳しく、関税とは別に輸入制限や追加検査が必要になる場合があります。
4. 複数回の輸出による累積課税の可能性
4-1. 同一月内の複数発送による累積
国によっては、同じ受取人が同一月内、または一定期間内に複数回輸入を行った場合、
その合計額をもとに課税対象とする仕組みを採用していることがあります。
小分けにして送っても、税関で合算されて関税がかかるケースがあるので注意しましょう。
4-2. バイヤーが知らずに大量購入してしまう事例
バイヤーが「免税枠内だから大丈夫」と思い込み、月に何度も小口で購入した結果、トータル金額が大幅に上回り、
追加徴税されてしまうことがあります。最悪の場合、受取拒否につながり、商品が返送されてくるリスクも高まります。
4-3. 出品者側にできる対策
基本的にはバイヤーの責任領域ですが、以下のようなアドバイスは出品者が行うこともできます。
- まとめ買いをした場合と小分けにした場合の関税リスクはどう違うか、バイヤーに知らせる。
- 万が一合算課税がある国なら、事前にバイヤーに調べてもらうよう促す。
- 「商品が受け取られずに返送となった場合の送料はバイヤー負担」などのポリシーを明示しておく。
5. トラブル回避のためのポイント
eBay輸出における関税トラブルを最小限にするには、以下の点を意識しましょう。
5-1. 商品ページで「関税はバイヤー負担」を明示する
eBayの国際取引は「関税・輸入税はバイヤー負担」が基本ですが、
バイヤーがそれを知らないと受取拒否やクレームに繋がる恐れがあります。
取引前に説明欄やストアポリシーで明示し、誤解を防ぎましょう。
5-2. 正確な申告額と商品内容の記載
インボイスや国際郵便のラベル(CN22など)に正確な金額や商品説明を記載することはとても重要です。
過小申告や嘘の記載は税関で発覚すると罰金や荷物没収のリスクがあります。
バイヤーから「安く書いてほしい」と頼まれても応じないようにしましょう。
5-3. 高額商品や特定カテゴリは保険・追跡付きで発送
関税と直接の関係はないように見えますが、関税トラブルで受取拒否が起きたり、
返送途中で荷物が紛失・破損したりするケースを考慮すると、
高額商品ほど安心な配送方法(追跡付き・補償付き)を選ぶのが賢明です。
5-4. バイヤーとの事前コミュニケーション
バイヤー自身が自国の関税制度を理解していない可能性は大いにあります。
質問を受けた際は丁寧に「関税や輸入税が発生する場合がある」ことを伝え、
事前に了承を得るようにしましょう。これだけで、トラブル確率は大幅に下がります。
5-5. 最新情報のリサーチを怠らない
関税制度や免税枠は、政治・経済状況に応じて変更が行われます。
特にEUやイギリスは近年ルール改定が多く、定期的に税関公式サイトやJETRO、eBay公式ヘルプなどをチェックすることが大切です。
6. まとめ
eBayを通じて海外へ商品を販売する際、関税はとても重要なポイントです。
「関税はバイヤー負担」が原則とはいえ、バイヤーに追加費用がかかると知らないまま取引が進むと、
高確率でトラブルが起きます。
そのため、国別の免税枠や関税率、VAT・GSTなどの仕組みを大まかに把握し、必要に応じてバイヤーに説明することで、
円滑に商取引を進めることができるでしょう。
特に南米やアジアの一部地域は高関税のため受取拒否が発生しやすく、
またEUやイギリスではルール改定が頻繁に行われるため、最新情報を常にアップデートしてください。
さらに、同一バイヤーが短期間に何度も輸入する場合は、国によって累積課税があり得る点も要注意です。
最終的に、関税負担はバイヤーの責任ですが、出品者としてもリスクを理解し、
適切な申告やコミュニケーションを行うことで、満足度の高い取引を実現できるはずです。
ぜひ今回の記事を参考に、安全かつスムーズなeBay輸出を行ってみてください。
※本記事の内容は執筆時点の情報を参考にしており、各国の法令・税制は予告なく変更される場合があります。実際の取引に際しては、日本郵便・各国税関・eBay公式など信頼できる情報源を必ずご確認ください。
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